散歩がてらボランティア
世の中には、様々な「防犯ボランティア」がありますが、
自身が参加するとなるとなんとなく敷居が高いと思ってしまうものではないでしょうか?
続けられるかどうかわからないし、そんなに責任感も強い方じゃないしなぁなんて方もいるかもしれません。
そんな方の中に、毎日愛犬の散歩をしているという方はいないでしょうか?
「それなら毎日やってるよ。」という方もいそうです。
実は愛犬とともに「防犯ボランティア」を行う防犯ボランティア団体があるんです。
それがJR総武線平井駅周辺を拠点とする「ひらこま犬くらぶ」です。
「ひらこま犬くらぶ」は、近隣で起こった殺人事件を契機に、設立された防犯ボランティア団体です。
「ひらこま犬くらぶ」という団体の当初の目的は「荒川河川敷にドックランを!」というもので、
防犯とはまったく関係のない愛犬団体だったそうです。
ところがある日、いつもの散歩コースで殺人事件が起きてしまいます。
もう少し、注意をはらいながら散歩をしていたら防げたかもしれない、という思いが募り、
地元の小松川警察署に「犬の散歩をしながら、防犯パトロールができないか」と打診してみたそうです。
当初は「そんな怖いことはしたくない。」ですとか「そういったことは警察に任せた方がいい。」という反対の声もあったそうですが、
愛犬と共に行う防犯パトロールに賛成してくれる仲間も多く、3年半前に活動を始めることができました。
反対意見としては、「危険を伴うから嫌だ。」というものと「もともとの設立目的と異なるから嫌だ。」
「お揃いの腕章などが嫌だ。」というものがあったそうです。
具体的な活動内容としては、月に1回平井駅に集合して防犯パトロールをおこなっているそうです。
メンバー全員があつまると60名にもなるそうですから、とても防犯効果がありそうです。
愛犬も様々な種類の犬が集まるので、子どもたちが寄ってくることもよくあるそうです。
中には、あまりにも大きな集団になるため、何か事件が起こったのかと間違える人もいるそうです。
防犯以外の効果も
また、防犯パトロールだけでなく、時折河川敷のゴミ拾いなども行っているそうです。
このことからも、地元を愛しているのが伝わってきます。
このように、1人1人のちからは小さくても、
たくさんの同士が集まることによって出来ることは無限に広がっていきます。
警察官や自衛官などの専門職ではなくても、地域住民の力を集結することで、
自分が住む地域の防犯意識を高めていけるといいですね。
このような防犯ボランティア団体は、柔軟性が強みだと思います。
今回取り上げた「ひらこま犬くらぶ」のように、
元々の設立目的はドッグランの整備だったとしても、思い立った時点で防犯ボランティア団体としても活動できるのです。
これが警察署だったらどうでしょう?
今までは犯罪者を捕まえていたけど、今日からお花を売りたいなぁと思ってもそれはできません。
民間ボランティア団体だからこそできることや「柔軟性」といった強みを生かした活動が、素敵だなぁと思います。